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■ 「スケートボーディング、空間、都市―身体と建築」イアン・ボーデン

スケートボーディング、空間、都市―身体と建築
Skateboarding, Space and the City
イアン ボーデン, Iain Borden, 齋藤 雅子, 矢部 恒彦, 中川 美穂 / 新曜社

「建築をして戦慄せしめよ!」
この帯にやられてしまう人は多いかもしれない。
「スケートボーディングは 躍動する身体による建築批判であり 都市空間の再創造である!」

膨大なスケートボードの歴史資料があるかと思えば、スケートボードが一瞬に作り出すミクロな状況の精密な描写がされる。訳者あとがきにあるとおり史料的な2→3→4→7章、そして理論的な6・8章→5章と読み進めるのがいいかもしれない。

スケボーの経験がない人にとっては、精密な描写には少し戸惑うかもしれない。経験がないにもかかわらず身体感覚が伝わってくるからだろうか。かといって本書はスケートボーダーのために書かれた論ではもちろんない。たとえば自転車で商店街の人並みを縫ったり、路地でのかくれんぼや、公園の木登りでもかまわない、このような空間的な体験をスケートボードに置き換えてみればいい。

後半は建築と都市への批評になるわけだが、空間/権力的な抽象論になり少し見飽きた構図になっていなくもない。しかし全般にわたってアンリ・ルフェーブルからの引用(流用、再生産、、)がいきいきとして現れている。付録の「ルフェーブルと関連する用語」もわかりやすくまとめられている。本書をとおしてルフェーブル「空間の生産」が示していたものが今も色あせないことが分かる。

論だけを通してみれば、現在の建築と都市を批評しきる破壊力は持ち合わせていないかもしれないが、本書には実践を通してのみ現れるこれからの都市へのヒントが十分に詰まっている。

偶然に見たDVD ロード・オブ・ドッグタウンがまさに前半のスケートボードの歴史を知る上での副読本に最適である。

南後由和さんによるレビューSITE ZERO Reviewこちらも参照されたい。

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