花見でピクニック ~ビニールシート論~

On 2001/03/27 by Hidenori Kasagi

【この記事は23年以上前のものです。情報が古い場合があります。】

春です。

そして桜です、花見です。


いつもは閑散とした公園でも、花が咲くと雰囲気がすっかり変わり、人で一杯になります。 そのぶん桜で有名な公園は場所取りがたいへんですね。組織ぐるみで場所取りしている会社もあり、さながら陣地を取り合う戦場みたいです。通 常は公共の場所である公園を占有してしまう行為は、なんか面白いですね。

もともとの花見は平安時代の宮中で行われていて、かなりプライベートな空間で行われていたらしいので、桜の下を自分の場所にしたい気持ちもなんとなく理 解できます。だけど普段の公園に、ビニールシートを敷き詰めて「おれの陣地だ」と言ってみんなで占拠していたら、誰かに注意されることは間違いありませ ん。  しかし、桜が咲けばみんなめでたい春の訪れですから、無礼講です。このときだけは、公園はお座敷になって、さながら大宴会場。自然現象によって、場所の 雰囲気も機能も変化する、ビニールシートだけで、お座敷になってしまう、、最小限の操作で最大限に公共の場所を自分の居場所にすることができます。まさに 桜の季節はアーバンピクニック日和。

青山・原宿周辺の花見スポットだと、代々木公園の「桜の園」が有名でしょうか。それと青山墓地なんかはお墓のとなりでピクニックするのだから、かなり普段とのギャップがあり非日常空間です。あとは渋谷の鍋島松濤公園は小さいけど穴場らしいですよ。

あとひとつ、花見でつかう工事用の青ビニールシートはどうにかなんないのでしょうか? せっかくの桜の色が台無しです。アーバンピクニック的に言えば、花見のお座敷は、自分の家と同じなのです。

青山原宿渋谷のポータルサイト「アオハラ」での連載「スクラップ&ビルド」「アーバンピクニック」に掲載されていた文章です。
*アオハラ、aohara及びアオハラロゴは(株)アジアン カルチャー オーガナイズさんの商標です。

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