福岡都心 謎の“パンダ” 市民に好評、市は「違法」
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ステッカーであるものの新聞報道はこの類を「落書き」と伝えることが多いが、今回は異例。
福岡市の都心部で、パンダの絵が描かれた張り紙が3月ごろから“増殖”している。「生息域」は主に福岡市中央区の都心部で、10頭以上が確認されている。市はヤミ金融の張り紙と同様の違法広告物とみなして撤去する方針だが、何も語らず、黒い目でじっと街を見つめるパンダに「癒やし」を感じる人も。それにしても誰が、何のために‐。
中央区の警固小学校正門前の歩道橋・橋げたには、寝そべったパンダが張られ、交通量の多い道路を見つめている。パンダが多く発見されているのは警固周辺で、マンションの壁や公園の看板など少なくとも6カ所にある。天神、赤坂、大名にもあり、寝そべり、立ち姿、顔のアップの3種類で、どれもA3サイズ程度の大きさだ。
警固公民館によると、2月の落書きパトロールの際にパンダはなく、3月以降に張られたとみられる。大名1丁目のショップ店員松田純哉さん(28)は「まるでアート作品」と評価し、警固2丁目の渡辺ひかりちゃん(4つ)は「かわいい。動物園で本物を見てみたい」。赤坂3丁目の宅配業の女性(35)は「単調な宅配中にパンダを見つけるとちょっと幸せ」と笑う。
これまでに福岡中央署への被害届、区役所への苦情はゼロ。市都市景観室は、屋外広告物条例違反として撤去を検討中だが、パンダの現場写真を見た永野間謙二室長は「街中でパンダを発見する楽しみは理解できる。街の活性化のヒントが隠されているかもしれませんね」と苦笑いする。
一方、「パンダは隠れみの」との指摘も。落書きだらけの壁に張られていることが多く、警固公民館の南幸盛館長は「街で見かけるサインのような落書きと同種ではないか。個人やグループが、存在をアピールしているのかも」と警戒。福岡中央署の江口満生副署長は「かわいいパンダの裏にどんな人物がいるのか実態は不明。法的には軽犯罪法違反や器物損壊に当たる行為だ」と指摘している。
福岡都心 謎の“パンダ” 張り紙10ヵ所、3種類 市民に好評、市は「違法」 / 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/93861(現存せず)