都市のレジリエンス
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ロックフェラー財団は世界中の100都市を指定して都市レジリエンスのために総額1億ドルを出資することを発表した。これまでも同財団はカトリーナやサンディといったハリケーン被害に対して、再建の重要なパートナーになって来たのだという。
レジリエンスとは回復力や復元力のこと。もともと医学用語だが都市分野でも使われ始めた。東日本大震災以降、日本でも注目されている。いかにして災害から回復できる力を事前に都市に育むかが、復興の鍵となるからだ。
例えば、社会学者の新雅史さんの著書「商店街はなぜ滅びるのか」では、商店街のレジリエンスが評価されていた。東日本大震災で津波被害を受けた郊外の大手スーパーには本社が指示しない限りなかなか復旧しない。。それに比べ、商店街はボランティアが集まりやすく、様々な復旧+αが自立的に行われたのだそうだ。
常に人間の想像を超える自然の猛威に対して、被害をゼロにすることができないことは、今回の東日本大震災でも明らかだ。ハードがずたずたになった状態では、人的なソフトウェアで対応するしかない。そのうえでも平時の社会関係資本が重要になってくる。
http://www.rockefellerfoundation.org/100-resilient-cities
日本語記事:
世界100都市のレジリエンス促進へ100周年チャレンジを発表 ロックフェラー財団 – SankeiBiz(サンケイビズ).
参考:
大矢根淳(2010)「災害・防災研究における 社会関係資本(Social Capital)概念」(PDF)