都市は難民キャンプから生まれる?
【この記事は11年以上前のものです。情報が古い場合があります。】
ヨルダンの砂漠の真ん中に都市ができつつある。シリアから逃れてきた人々が暮らすザータリ難民キャンプである。
2012年9月
2012年11月
2013年1月
http://www.nytimes.com/interactive/2013/01/27/world/middleeast/growth-of-the-zaatari-refugee-camp.html?_r=0
当初はテントでの生活であったが、現在ではコンテナやプレハブ住宅に移行しており、商売を営む人々も出てきた。
AFP BB News 「都市化」するシリア難民キャンプ、国連への電気代請求は月5000万円
現在、このキャンプにはよりどころを無くした11万5000人が暮らす。
難民テントの多くは、プラスチックとアルミニウムでできたコンテナ住宅に置き換えられつつある。設置費用は1戸当たり2500ドル(約25万円)。既に1万6500戸が完成し、近く3万戸に達する見込みだ。
仮設住宅の前庭は泥よけのためにセメントで固められ、小さいながらも「家の象徴」として噴水まで造ってある家も見られる。商才に長けた難民たちは、キャ ンプの電気網を「拝借」してキャンプ内のわずかな舗装道路に立ち並ぶ約3000軒の店舗や、580軒の料理店や屋台に電気を引いており、クラインシュミッ ト氏の下に届く電気代は毎月50万ドル(約5000万円)に上る。
これらの通りはパリの大通りにちなんで「シャンゼリゼ」と呼ばれている。難民たちはここで喫茶や買い物を楽しみつつ、仮設住宅に付けるエアコンの値引き 交渉さえしている。仮設住宅の多くには既に衛星放送用のパラボラアンテナが取り付けられている。タクシーも10台あり、高値を吹っかけては人々を乗せて キャンプ内を走り回っている。
キャンプ内で仕事を探して回る人たちも多く、その中には子供たちの姿もある。闇取引が問題になっており、持ち物は何でも売りに出される。コンテナ住宅でさえ「また貸し」されたり、転売されたりと、UNHCRが許可していない方法で使用されている。
「街」には病院が3つ、学校も数か所ある。食料配給所は本部の他にパンのみを配るセンターもあり、1日に計5000個のパンを配給している。サッカー場 や、滑り台やブランコのある公園も合わせて5か所ある。「約6万人いる子どもたちを飽きさせないことが大事」だとクラインシュミット氏は言う。だが、学校 に通うべき年齢の子ども3万人のうち、授業を再開できているのは5000人だけだ。