幻想の地名をめぐる2 ~歌舞伎町の女王はアオハラを迂回する~
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あたりまえですが椎名林檎は新宿歌舞伎町に
住んではいないようです、、
先週は「新宿」がつく曲が他の地名に比べて多いことがわかりました。ではなぜ新宿は曲がたくさんあるのか?なんでアオハラ(青山-原宿)の曲は少ないんだ?ということで、とりあえず新宿歌舞伎町系の椎名林檎を分析することになってしまいました。
メジャーデビューから3年たらずですが、彼女の曲中に地名の出てくる割合がかなり高いです。デビュー以来の彼女の歌詞を調べてみるとこれだけの地名が出てきます。
丸の内 お茶の水 池袋 銀座(2回) 後楽園 新宿(3回) 新橋
品川 中目黒 歌舞伎町 赤坂 青山 東京 外苑東(通り)
甲州街道 銀座線 新宿駅
すべて東京です。例外は九十九里浜と彼女の地元福岡で2カ所。そして交通機関もかなり登場しています。それと「青山」がやっと出てきました。「銀座」も2回。先週「銀座」はチェックしていなかったのですが、実は新宿についで、数百の曲の題名に使われています。これは椎名林檎の歌謡曲スタイルとの関係がありそうです。
歌謡曲全盛の時代に新宿や銀座が歌に多く使われているのは、そのころ全盛の街であったと共に「そこに何かがある」「そこに行けばドラマがある」という人を惹き付ける期待を受け止めるのに充分な力が、地名や場所にあったからではないでしょうか?椎名林檎に関して言えば、彼女が自作自演屋と宣言しているように、場所への幻想はすでにパロディーとして歌われているのです。
新宿歌舞伎町は巻舌が良く似合う「どろどろとした憎愛」みたいなイメージがあります。椎名林檎はこれからもアオハラを迂回するに違いありません。
青山原宿渋谷のポータルサイト「アオハラ」での連載「スクラップ&ビルド」「アーバンピクニック」に掲載されていた文章です。
*アオハラ、aohara及びアオハラロゴは(株)アジアン カルチャー オーガナイズさんの商標です。
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