幻想の地名をめぐる3 骨董通りからモー娘へ
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青山の骨董通りの名は、ある曲に由来しているらしい。
その曲の作詞をしたのが「いい仕事してますねぇ」で有名な骨董鑑定人の中島誠之助さんである。骨董通りの正式名称は高樹町通り、当時
そのレコードはあまり売れなかったらしいのだが、今では「骨董通り」がすっかり定着している。とすれば中島さんはプロデューサーの素質もありと言えるかも知れない。地名と曲の非常に稀な関係である。
さて、最近の曲に原宿青山は登場するのでしょうか?
「モー娘」だと勘違いしていたのですが、、スピンアウトしたユニット「タンポポ」の歌で原宿が出てくる歌を見つけました。みなさん聞いたことあると思うんですが、その曲は原宿でデートする内容で、そのカップルはデート中も互いにメールやりとりして、メールで告白したりするんです。とても現代的。。
先週、昔は銀座や新宿という地名が人を惹き付ける力を持っていた、などと過去のように書いてしまいましたが今でも充分に人を惹き付けます。ただそれが曲にならないのはなぜでしょうか?なぜ青山・原宿の曲は少ないのでしょうか?その理由のひとつに地名の幻想が音楽以外のメディアによって我々に充足されているからという仮説をたててみます。
そのメディアとはガイドマップです。と言っても観光案内ではなく情報誌やファッション誌の「青山」「原宿」でフレーミングされたガイドマップ。故に「東京」のつく曲は今でも生産されつづけています。現在、映画を見に行く人がその内容をまったく知らずに見に行くと言うのは稀で、なんらかのメディアで情報を得てから見に行くように、ショッピングでもデートでもガイドマップ(ブック)的情報誌は、都市生活者の必需品と言えます。「ぴあ」の登場した70年代が地名歌謡曲の衰退と一致しているのも不思議ではありません。
メールの世界と平行する場所、そしてガイドマップシティ、、
次回はガイドマップシティを研究します。
青山原宿渋谷のポータルサイト「アオハラ」での連載「スクラップ&ビルド」「アーバンピクニック」に掲載されていた文章です。
*アオハラ、aohara及びアオハラロゴは(株)アジアン カルチャー オーガナイズさんの商標です。
[…] さて来週は原宿にもどります。 […]